マイボーム腺機能不全(MGD)
ドライアイは、涙の量や質が低下することで眼の表面が乾燥し不快感や視力低下を引き起こす病気です。
ドライアイの8割程度が、マイボーム腺機能不全(MGD)に関与していることがわかっています。
マイボーム腺機能不全(MGD)とは
マイボーム腺とは、まぶたの縁にある脂を分泌する腺です。
涙は油層・水層・ムチン層からからできており、油層は涙の蒸発を防ぐ役割があります。
この機能が低下する病気をマイボーム腺機能不全(MGD)といいます。

マイボーム腺機能不全(MGD)の症状
- 目がゴロゴロしたり、不快感がある。異物感がある。
- 目が乾燥する、霞む、まぶしい。
- メヤニがたまりやすい
- 涙目になりやすい
- 目が痒い
- まぶたが重い、熱い
IPL治療~ドライアイの症状を引き起こす「MGD」の新しい治療法~
当院では、新しいMGD治療法であるIPL治療を導入しています。
IPLはレーザーとは異なり、様々な波長幅をもった強い光です。照射光は熱エネルギーに変換され、皮膚内部に温熱効果をもたらします。
マイボーム腺の詰まりを解消し、ドライアイの改善に効果があります。
(マイボーム腺機能不全診療ガイドラインでは、MGD治療においてIPLの実施をエビデンス的には「強く推奨する」とされています。)
当院では、ルミナス社のオプチライトM22を使用しています。
IPLのMGDへの効果として期待されること
- マイボーム腺のつまりを溶かす効果、つまりを抑制する効果
- 常在菌の殺菌効果
- 炎症を抑える効果
- 肌のコラーゲンを再生する効果
IPL治療の実際

① 治療スケジュール
4回を1セットとし、3~4週間おきに1回の治療が推奨されています。
※治療は1回から可能です。
※自費診療のため、保険診療とは別の日程で予約が必要です。
② IPL治療の料金
| 両眼1回 | 8,000円(税込) |
| 両眼4回セット | 30,000円(税込) |
③ 施術前の注意点
- 治療は事前に予約が必要です。
- 治療前後2週間に日焼けをした、日焼けをする予定があるかたは施術できません。
- 当日はメイクをせずにご来院ください。日焼け止めをご持参ください。
④ 施術後の注意点
- 赤みがでることがありますが、2~3時間で落ち着くことが多いです。
- 治療後2週間~1ヶ月は日焼け止めを塗ることを推奨します。
- 洗眼、メイク、入浴は通常通り可能です。
従来のドライアイ治療
涙は油層・水層・ムチン層からからできています。油層は涙の蒸発を防ぎ、水層は目を潤し、栄養を供給します。ムチン層は涙を目の表面にはりつけ、涙が目に乗りやすくなります。
ドライアイでは眼の疲れ・異物感・かすみ目・痛みなどの症状があり、放置すると角膜や結膜に傷がつくこともあります。

IPL以外に、ドライアイの主な治療法は目薬と涙点プラグがあります。
目薬は涙の補充だけでなく、水分やムチンの分泌を促す役割もあります。
涙点プラグは涙の流出口に栓をし、眼の表面に涙をためる治療法です。目薬だけでは改善しない場合に検討します。
点眼液を用いた治療

人工涙液/ソフトサンティア
涙の成分に近い性質をもった点眼液です。

ヒアレイン/ヒアルロン酸ナトリウム点眼液
保水性があり、涙液の貯留量を増加します。角結膜上皮障害の治癒を促進します。

レバミピド/ムコスタ
涙の成分であるムチンの産生を促進します。角膜上皮細胞の増殖を促進します。

ジクアス
水分・ムチンの分泌を促進します。
涙点プラグ挿入術
シリコン製のプラグで涙の流出口である「涙点」をふさぎ、涙を眼の表面にとどめてドライアイを改善させる治療法です。
痛みはありません。簡単に除去することも可能です。
注意点としては、涙点を塞ぐためメヤニやかゆみを感じることがあります。まれに異物感や違和感が出ることがあります。プラグが自然に外れてしまう場合もあります。

